教育制度
大学入学前の高等教育として幅広い科目の学習が可能で、自発的に学ぶことを身につける高校留学。いずれの国も年度のはじまりは日本とは異なりますが、留学生の受け入れは年に複数回あり、学生の状況に合わせて留学プランを組み立てることが可能です。
中高一貫が行われている。新学期は 1月。
オーストラリア・ニュージーランドでは、日本の中高にあたる中等教育は「セカンダリースクール」「ハイスクー
ル」などと呼ばれ中高一貫教育が行われています。また両国とも、新学期は1月下旬~2月上旬に始まり、12月
半ばで終了する4学期制です。それぞれの学期初めから入学することが可能です。
留学可能時期
1月下旬(2月上旬)、4月、7月、10月
渡航のタイミングは年4回。新学期は 9月。
カナダでは、学年は9月に新学期が始まり、翌年6月に終了します。多くの学校は前期・後期の2期制のセメス
ター制を取り入れていて、9月・2月の学期初めに留学スタートできます。希望により、日本の学年の区切りに合わせて4月から留学したり、7月のサマースクール時期から留学を開始したりすることも可能です。
スクールカレンダー
オーストラリア・ニュージランド(4学期制)
1学期 |
1月下旬〜3月下旬 |
2学期 |
4月中旬〜6月下旬 |
3学期 |
7月中旬〜9月下旬 |
4学期 |
10月初旬〜12月初旬 |
カナダ(2学期制)
*4月・7月からの入学も可能な学校もあります。
*学期制は学校により異なる場合があります。
学年制
各国の教育制度
州独自の教育制度
オーストラリアは6つの州と2つの特別区によって成り立つ連邦
国家。地方自治が確立されており、大学を除く教育機関は各州
政府が担当しています。オーストラリアの教育制度全体がイギリ
スの伝統を受け継いでいますが、各州によってそれぞれの独自
性がみられます。
義務教育期間も州ごとに違う
どの州も、日本の小・中・高と進む6・3・3制とは異なり、YEAR1
(1年生)からYEAR12(12年生)までの学年制になっています。
YEAR1の前にプレップイヤー(準備学年)を1年設ける州が多
く、実際はYEAR12まで13年間となります。義務教育は15歳ま
でとする州、13歳までとする州などさまざま。初等・中等(中・高
含む)と教育期間が区切られていますが、何歳で区切るかも州
によって若干違います。
オーストラリアでは、義務教育を終えただけでも社会に適応でき
る力がある程度つくので、この時点で就職したり、専門学校に通
い始める人もいます。しかし大半の生徒は、日本の高校にあたる
シニア・セカンダリーに進学するのが実情。シニアの2 年間
(YEAR11~12)は、大学に進学するための準備期間として位置
付けられています。
大学入試はない
大学進学を希望する場合はYEAR11に進級する時点で、各学校
にいるキャリア・アドバイザー(進路担当の先生)と相談しなが
ら、志望大学の志望学部に入るために必要な科目を選択。
YEAR11・12の科目には日本の大学1~2年次で学ぶ一般教養
課程の一部もカリキュラムに含まれています。オーストラリアの
大学は専門教育で構成され、ほとんどの学部が3年間で修了す
るのもこのためです。
大学には入学試験はなく、在校時の成績と、YEAR12の終わり頃
に実施される各州の統一試験によって、高等教育入学資格を取
得するシステムになっています。
公立高校が8 割以上
オーストラリアの高校は、公立が8割以上を占めています。公立は
州政府の管轄下にあり、すべて無宗教。多数が、生徒の個性と自
主性を尊重したリベラルな校風を特徴としています。私立は、ほ
とんどがカトリックやアングリカンなどの宗教団体によって運営さ
れています。私立には、男子校、女子校、男女共学があり、寮のあ
る学校もあります。私立も公立も制服があるところが多いです。
イギリスの伝統を引き継いだ教育制度
ニュージーランドの義務教育は5歳から15歳まで。ほとんどの子
どもが満5歳の誕生日の翌日から小学校に入学します。通常、5
~12歳までが初等教育期間です。5歳からの学年はYEAR1から
通しで呼ばれ、YEAR7~8の2年間をインターミディエイト・ス
クールで学び、YEAR9~13の5年間を、日本の中学と高校が一
緒になったセカンダリー・スクールで学ぶのが一般的なコース
です。
義務教育は、通常YEAR11の時点で修了します。義務教育後の
進路選択は、高校(セカンダリー・スクール)を継続し、「YEAR12
に進む」「公立の高等専門学校であるポリテクニックヘ進学す
る」「就職する」の3つに分かれますが、近年はほとんどの学生が
YEAR13まで在学します。
高校の授業はほとんどが選択制
日本のように中学・高校の区別はありません。日本の高校課程に
あたるシニア(YEAR 11~13)の授業は、一部を除き、ほとんど
が選択制です。選択科目は幅広く、各自の個性や方向性に応じ
たカリキュラムを組むことができます。
公立高校がほとんど
ニュージーランドには高校が約400校あります。そのほとんど
が公立校で、私立校に通う生徒は全体の10%に満たないと言
われます。ニュージーランドの高校の校風は、大きく分けて2つ
あり、ひとつは、歴史あるイギリスの伝統を引き継ぐ高校。この
中には男子校、女子校などもあり、寮のある学校もあります。全
体的に伝統や規律を大切にしているのが特徴です。一方、リベ
ラルな方針のもと、自由で比較的新しい高校はほとんどが共
学。校風もかなり自由で、中には制服がない学校もあります。
州によって異なる教育制度
カナダは10の州と3の準州から成り立つ連邦国家で各州で自
治権を持っています。教育に関しても、各州教育省が州内の
教育についての権限を持ち、州の実情に合わせた教育方針
を立てています。州内ではさらに地域ごとに学区(S c h o o l
District/Division)に分割され、各教育委員会のもとに学校
が配置されています。
義務教育期間や学制も州で違う
義務教育開始年齢も州により異なり、6~7歳から16歳までの
ところが一般的。学年制は、日本のような6-3-3制の学校もあ
りますが、学年は通しでG r a d e 1 ~ 1 2となります。初等教育
(小学校)と中等教育(中学校・高校)の学校・学年の区切りは
州により違います。
現地学生の95% は公立校へ
卒業に必要な単位数や条件も州により異なります。成績評
価・進学の基準も州により規定が違いますが、公立校・私立校
ともに同じ基準が適用されます。
カナダの中学校・高校は市立と公立を合わせて約5,500校あ
りますが、そのほとんどが公立校です。国際的な学力比較テ
ストで、カナダは高い水準にあり、カナダ人の学生の95%が
地元の公立校に通っており、その高い教育水準が伺えます。
必須科目と豊富な選択科目
カナダの中等教育では英語・数学・社会・理科・体育といった
科目は必須科目。但しそれ以外にも選択科目から、自分の興
味や進路に合わせた科目を履修することができます。専門性
の高い「アカデミー」を開講している学校もあり、野球、サッ
カー、ゴルフなどのスポーツに加え、ダンスやIT、デザインな
ど専門分野の科目を学外から招いた専門講師に指導してもら
える特別なカリキュラムを提供しています。これらの「アカデ
ミー」も通常の科目同様、単位として卒業単位に含めることが
可能です。
また、高校在学中に大学の単位を先取りするアドバンスド・
プレースメントと呼ばれるシステムや国際バカロレア(IB)な
どのカリキュラムを公立校でも提供している学校があります。
日本の高校で取得した単位が一部移行も可能
日本で高校1年生の課程を終了してから留学をする場合、1
年分の単位(主に必須科目の数学や体育、選択科目の日本語
(国語))への単位移行が可能です。このことにより、カナダの
高校を卒業するために必要な単位の一部が認定され、最短で
2年程度で高校卒業資格を取得することも可能となります。
また、夏休みの時期を使って実施されるサマースクール中に、
従来の学期中に取得できる単位を1~2科目分履修するこ
とも可能です。